ゲルインクボールペンと, 知識のアップデート。

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高校入学願書の保護者署名欄を書く時、使えるボールペンがないことに気がついた。

持っているボールペンはフリクションで、他にあるのは万年筆である。「ボールペンで記入すること」となっているところに、万年筆で書くのは抵抗がある。

そこで子どもが使っていたゲルインクボールペンを借りたのですが、それが非常に書きやすかったのです。

ゲルインクボールペンの見直し

公的な書類への記入は「万年筆または油性ボールペン」という、根拠の定かでないことをこれまで信じていた。

今回、ゲルインクボールペンを見直す過程で、私の知識は間違いだったことも判明。30代後半から徐々に使うものが固定されてきて、これではいけないと万年筆に手を出した矢先に、知識の固定化も起きていたことに気付かされました。

万年筆もインクによっては使わないほうが良い。

かつて、まだボールペンが普及する前は万年筆だった。公文書など長期保存の書類には、耐水性・耐光性のあるブルーブラックインクが使われていました。

 ブルーブラックインクは、青色の染料を加えたインクに鉄-没食子酸化合物を含ませたもので酸化作用によって耐水性をもたせるインクなのですが、ペンの内部に長期間置かれると鉄分が凝固することがあり近年は、このタイプのインクを生産していないメーカーも多い。

 また、現在のブルーブラックインクには色味だけ同じで鉄-没食子酸化合物を含まず耐水性のないインクもあるので注意が必要。そんなことから万年筆を禁止にしている役所もあるそうです。

ボールペンは油性がいいのか?

公文書でのボールペン使用が認められたのが1970年代。その頃のボールペンは油性だった。多分このときに「万年筆または油性ボールペン」という情報が出来上がり、私はこの情報を80年代、90年代に教師たちから伝えられて今日に至るわけです。

では油性以外の水性やゲルインクのボールペンは、公文書で使えないのか? そんなことはなくJIS規格(長期保存性及び書類の改ざん防止のための品質の部分)が満たされていれば使用できるし、油性でも品質が満たしていなければ使うことができない。

しかし、ゲルインクのJIS規格は2005年とまだ歴史が浅いので、特にこだわりがなければ、油性インクのボールペンが無難だと思われます。私のように油性だけだと思いこんでいる人は多そうなので。

 

ゲルインクボールペンの比較

  • ゼブラ/サラサ・・・水性顔料ゲルインク
  • uni 三菱鉛筆/シグノ・・・水性顔料ゲルインク
  • ぺんてる/エナージェル・・・水性染料ゲルインク

とりあえず、上記3点を比較してみた。

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評価用に用意したのはサラサグランド。1本1,000円で高級感もあり24gという重量感がとても良いです。シグノもエナージェルも入りました。

ゼブラ ジェルボールペン サラサグランド 0.5 ネイビー P-JJ55-NV

ゼブラ ジェルボールペン サラサグランド 0.5 ネイビー P-JJ55-NV

 
書き味

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個人的な感覚ですが、シグノが一番なめらかで、筆圧の弱い私の書き方でもカスレが起きませんでした。サラサとエナージェルではちょっとかすれる感じと、紙への引っかかりを感じました。

耐水性

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公文書で使えるという記載の無いエナージェルの黒が流れ落ち、青みがかったものが紙に残りました。

これはこれでかっこいいかも。

まあ、一般的な書類に使う程度ならこちらの3種類のゲルインクは問題ないのでは無いでしょうか。