ブックマークのコメント欄含め、興味深い。
そして、最近読んだ本でおすすめのものがあるのですが、これを上げている人がいなかったので。
昨年話題になった「道徳の教科化」に対して、物申す的に書かれた本で、私は非常に面白かったし、ためになる本でした。
ただ、タイトルがいけないのか、副題がいけないのか、Amazonでは売れ筋にはなっていないし、レビューも8件しかない。
そして、この本のスタンスもちょっとあれなのかな?
教科化の話題には、保守的というか右側と左側の対立があったのですが、この話題に乗っての本であるのにどちら側に立つわけでもなく、そもそもみんな「道徳」をわかっていないでしょう? というスタンスの本なのです。
学校で、道徳をやるまえに、大人がちゃんと道徳を理解しましょう的な。だからこそ、「大人の」なのかな。中身は、凄く良いのに、残念なのです。
「はてな」住民に受ける内容だとも思うのですが。
内容的には、「市民」と「国家」と「民主主義」かな?
私の感想ですが。
ここでいう「市民」は、政治的共同体の構成員としての市民(Citiizen)。そして、市民とはなにか、国家とはなにか、人間とはなにかという話を、西洋哲学を用いて考え方を深めて行く。そんな本です。
本の流れは古代から始まり、中世、近代、現代となるので分かりやすいです。西洋哲学を学ぶ機会がなかった理系の私でもすんなり読めました。
民主主義の維持は凄く難しい
民主主義国家を守るには、市民一人一人が政治に参加しなければならない。他の誰かに任せてしまうと、途端に民主主義は簡単に腐敗してしまう。市民一人一人が国家を守っていくのです。
国家を守るには徴兵制の議論もしないといけない。死を前にした平等抜きの、法のもとでの平等になの価値があるのかと。
学校教育では語られない、西洋近代思想家の軍隊、徴兵制の考え方も興味深いものでした。
などなどの市民の話が中心な本です。私利私欲のための経済活動、エコノミックアニマルにならないための一冊だと、私は思うのです。