ゲーム依存の話。 精神科医の公演を聴いてきました。

オンラインや、ガチャ要素等で、問題視されているゲーム依存。昨日、はてブで話題になっていたので、私もちょっと書いてみます。

ビデオゲームへの偏見とそれへの批判:東洋経済オンライン『スプラトゥーン』の「中毒性」ついて - スプラトゥーン2

というのはちょうど先週、「ネット・ゲーム依存の現状と治療」というタイトルの公演を聞いたばかりだったので。講師は、久里浜医療センター 精神科医長の松崎先生。

久里浜医療センターといえば、1963年に国立医療機関として初のアルコール専門病棟が設置されたという歴史のある、精神疾患の基幹医療施設として有名で、2011年からはインターネット依存症の部門も設置しています。

 

依存症の中心はオンラインゲーム

久里浜医療センターのインターネット依存症の受診者の90%にゲーム依存があり、この中でオフラインゲームに依存している人は1〜2%で、98〜99%はオンラインゲームということだそうです。

まあ、想像通りの結果ですね。ただ、その90%のゲーム依存の内訳が、PC、ゲーム機 他が79%、スマホゲームが30%とのこと。意外にスマホが少なかったです。

となると、依存のジャンルの中心ははFPSですかね。詳しくジャンルまでは紹介していませんでしたが。

そして、こんなグラフも紹介していました。青が男性です。

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では、依存症とはどういう状態なのか。

現時点では、インターネット依存症の正式な診察ガイドラインは存在しないそうですが、WHOが昨年2018年6月に発表した国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)では、ゲーム障害の定義が書かれています。

1)ゲームのコントロールができない
2)生活上の利益や日常の活動よりゲームを優先する
3)問題が生じていてもゲームを継続する

重症度としては、個人的、家族的、社会的、教育的、職業的またはその他の重要なことに対して重大な障害をもたらす状態。

 なので、プレイ中に「死ねー!!」とか絶叫していても、普段の生活がまともならば、依存症とまでは言わないのでしょう。私の友人にもプレイ中に暴言を吐く人はいて、本人はストレス解消のつもりなんでしょうけど、聞かされるこっちにはストレスなんですけどね。

 

依存の原因はコンテンツではない。

依存症の種類には、「酒、タバコ、覚醒剤など」の物質に依存するタイプと、「ギャンブル、窃盗、買い物、食事など」の行動に依存するタイプがあり、ゲームは後者の行動依存のタイプです。そして、オンラインゲームには沢山の依存性に繋がる要素があるのは事実です。

ただ、依存症には原因があって、もっとも重要なのは現実の人間関係。学校だったり、家庭だったり、職場だったり。依存の問題は、そういう人間関係が根本にあると。

また、インターネット依存の患者の中には、ADHDを発症している人が多いそうで、そういったADHDが疑われる子どもが、ちゃんと診断されていないのも問題だったりするそうです。

 

まとめ

「東洋経済オンライン」のあの記事はひどい。1コンテンツを叩くあのタイトルは本当に良くない。「NAVER まとめ」ぐらいひどい記事です。

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