アフィサイト憎しの構造

本業以外の収入は悪である

日本人の特徴として、株などの投資を好まないと言うものがある。そこには、運用より貯蓄が好きとか、投資はギャンブルと同じだなど、いろいろな意見があるのかもしれませんが、私は「本業以外の収入」を「悪」と見なすからだと考えています。

なぜ、本業以外の収入が悪なのかといいますと、仕事(本業)を神聖視している人が多いからなのです。「仕事は一生懸命にする」などの言葉にも現れているように、仕事には命を懸(か)けるべきものと言う考えが強くあるのです。

本来、仕事は結果で評価されるべきものですが、日本においては命を懸けているかどうかということで、過程や態度、向き合い方が評価されてしまいます。故に見せかけの過程や態度として、長時間の労働が横行しています。

そんな日本社会において、本業以外の収入があるということは、本業を一生懸命にやっていないと見なされ、良くない行為なのです。

 

不労所得に対する嫌悪感

本業以外の収入で、特に嫌悪されているのが不労所得。と言っても、企業や働く必要のない大金持ちがやっている不労所得にはあまり嫌悪は起きません。

嫌悪されるのは、自分と同等か、下位とみなした者が行っている不労所得なのです。「ルサンチマン」や「恨の文化」などは、強者に対する妬みや恨みなどですが、この場合は弱者同士の妬みや恨みなので、深刻な問題ではないでしょうか。

例えば、遺産分配で手にした土地などで駐車場収入がある場合、それを同僚に簡単に言えますか? 趣味で撮っている写真や、趣味で描いている絵などを、ストックフォトにアップしてお小遣いを得ていることを同僚に言えますか?趣味でやっているブログで、広告収入があることを同僚に言えますか?

さらに、チマチマと稼ぐことを笑う風潮も問題です。駐車場収入ならまだしも、ブログのアドセンスなどの20円、30円の収入をあざ笑う。でも、その20円、30円が1月に数千円、数万円になり、1年間で数十万になると、途端に嫉妬に変わります。それが数百万となったら、もう恨みでしかなくなります。 

 

憎むべきは、検索エンジンを使用している自分自身

内容が薄すぎるアフィサイトは私も嫌いですし、当たってしまうと嫌な気分にもなります。

しかし内容の薄すぎるアフィサイトは数多く存在し、検索結果の上位によく出てきます。それはアフィサイトがSEO(検索エンジン最適化)を頑張っているところもありますが、検索エンジンであるGoogleにとっても都合がよいということもあるのです。

アフィサイトに貼られているGoogleの広告は、クリックされることによってアフィサイトの管理者に報酬が支払われますが、Googleにも広告主から広告費が支払われます。だから検索の上位に出てくることは仕方がないことなのではないでしょうか。

そんなにアフィサイトに当たりたくないのなら、新たな検索エンジンを作るしかないのです。では、その新たな検索エンジンを作るコストは誰が支払うのか。

 

コインハイブ憎しも同じ構造では?

企業が配信している動画広告で、CPU使用率が上がってしまうことに対しては受け入れてしまうのに、個人ブログに設置されているCoinhive(コインハイブ)に対しては、泥棒とまで言えてしまう。

強者の企業体ではない弱者の一個人が、少しでも不労所得を得るのは気に食わなくてしょうがないのだ。副業が禁止されている公務員である警察官だからこそ、恫喝してしまうのでしょうか。

 

強い女メーカー騒動

こちらも、結局はアフィサイト憎しが影響しているのではないでしょうか。

本来なら、引用と商業利用と著作権の問題で、クリエイターが今後もクリアしていかないと行けない問題なのですが、アフィサイト憎しが多すぎてまともな議論になっていないのが現状ですね。