その植物育成ライトは、正しい波長ですか? 【スペクトル解析編】

前回の記事で製作した簡易分光器で得たスペクトルを解析し、植物育成LEDライトが有効かどうかの検証をしていきたいと思います。

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目盛りとして開けた2つのピンホールからスペクトルは外れてしまいましたが、スペクトルを並べて表示するのに良いガイドにはなりました。

それぞれの蛍光灯は下記となります。

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そして、パナと日立の分光分布図はネット上で見つけました。

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山と谷が交互に出ているグラフのパナは、スペクトルも明暗がはっきりとしていて、高さ40%程度の大きい山の日立は、全体にスペクトルが薄く広がり、針のように突出した部分が細い明るい線として出ています。

この突出している部分(輝線)は蛍光灯の特徴なので、そこから各数値が判明します。

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ここに、今回購入した植物育成用LEDを追加してみます。

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赤色LEDテープの波長は、やはり620〜630nm程度と判明。青色LEDは白色LEDにも波長がしっかり含まれているので、いらなかったのでは?

むしろ、LEDテープの赤も青もいらなくて、白色LEDで十分だったのかもしれません。白色LEDには、薄っすらとですが660nm付近も含まれているのがわかりますし。

ここで、「付近」とか「ぐらい」とか使っているのには理由があって、蛍光灯の輝線をもとにグリットを入れようとしたのですが、明らかに等幅ではなく、赤い波長になるほどグリッドが広がる傾向があったのです。ただ、確信が持てるほどではなかったので、660nmの指標を購入しました。

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650〜670nmの波長のLEDです。20mAを流すとピークが660nmになるとのこと。

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グリッドは、かなり良い間隔で引けたかと思います。だんだんと広がるグリッドを引くのは手こずりましたが。波長を時間(s)、スペクトルの間隔を距離(t)として、それをもとに加速度を求めました。

そして、自作の植物育成LEDは、かなり無駄があると判明。

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まず、赤色LEDが630nmでは、植物の育成に有効な波長から離れていると思われる。しかも、赤色も青色も、白色LEDにしっかりと含まれているので補助にもなっていない感じだった。

まだ白色だけのほうが、赤も青もそれぞれの波長を広く含んでいるので、効果が高かったのではと思われる。

だいぶ、無駄をしてしまったと反省し、ここは素直に植物育成用のLEDを購入しようと、追加発注。

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やっちまったなー! またまた無駄なものを買ってしまったかもー!

まあ、こちらも簡易分光器ですし、660nm入ってないじゃないですか!と返品するわけにも・・・。

これじゃ、自作と波長が変わらない・・・。

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5050チップで明るさがぜんぜん違うので、どこかのタイミングでは実験として使うかもだけど・・・。

最後に

色々調べていく中、植物育成LEDですが赤と青の2色LEDではない道がありそうです。それはピンク色LED。ピンク色の作り方は、全波長が入った白色に赤を足したもの。特に白色は暖色系ではなく、青を強めに入れた白らしい白。だから、青と赤を多く含めつつ、若干赤が優位で、かつ全波長を含んでいる。今後は、簡易的な植物育成LEDはピンクになっていくのでは? と感じました。

というわけで、ピンクのLEDも育成に向くのか向かないのか計測してみたい。が、植物育成計画にちょっとお金を使いすぎた。ので、購入は来年度以降かな。欲しい物リストを公開しておきますので、気になる方で余裕のある方は、プレゼントしてください〜。

やはり、赤の波長は660nm付近が入っていないと、ピンクだろうが育成には向かないと思われる。苗の育成にはそれほど赤の波長にこだわらなくても育つのですが、後々の未熟感、花や実が着かないなどが起こると思われます。